はじめに
学校現場において教育向けアプリケーションの利用が盛んです。
特にGIGAスクールの整備をきっかけに、デジタル教科書やドリル教材の整備が急速に進んでおり、1人1台1IDを活用した学習環境の充実が図られています。
学びの環境を充実させる一方で、各サービスを利用するにあたって必要な作業、とりわけ名簿の管理についてお悩みの声を頂戴することが多々あります。
本記事では、学校設置者や先生の皆様に向けて、校務支援システムやデジタル教科書などのアプリケーション(以下、アプリ)を題材に取り上げながら、
L-Gateの名簿連携の仕組みやそのメリットについてご紹介します。
本記事をご確認いただき、今後の学習環境の整備にお役立ていただければと思います。
アプリで使用する「名簿」について
アプリを利用するにあたっては、まず名簿(ユーザー)の登録が必要です。
先生や児童生徒全員を登録する場合、学校や団体の規模によっては、数百から数十万規模の登録が必要になることがあります。加えて、登録後も継続した名簿メンテナンスが必要になります。
特に年次更新では、新入生の新規登録や進級処理、卒業におけるアカウン停止などの作業が発生します。すでに多数のサービスで名簿の管理を行っているご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今後利用するサービスが増えたとしても、名簿管理の業務負担を抑えて、児童生徒の指導に注力できるような環境を整えたいものです。
シングルサインオンをしていても名簿の登録・管理は必要
Microsoft 365やGoogleとシングルサインオンするアプリを利用している場合、利用者はそれぞれのアプリごとにユーザーIDとパスワードを管理せずに済む場合がほとんどです。
しかし、シングルサインオンをしていても、管理者や先生によるアプリごとの名簿管理が必要になることがあります。
例えばAアプリはユーザーIDと所属学校が必要だが、Bアプリには学年と所属クラスが必要、Cアプリにはさらに出席番号の情報が必要など、様々なパターンが存在します。
利用するアプリが増えれば増えるほど、名簿管理の手間が増えてしまうことから避けられません。
名簿管理の問題を解決するL-Gateの名簿連携
L-Gateは名簿連携機能により、名簿管理の問題を解決します。名簿連携をした場合としなかった場合において具体的にどのような違いがあるか、下記のシステムを例に挙げながらご紹介します。
カテゴリ | ソリューション名 | 関連リンク |
---|---|---|
統合型校務支援システム | デジタル校務 | 統合型校務支援システム『デジタル校務』(公立小中学校向け)|内田洋行 (uchida.co.jp) |
学習eポータル | L-Gate | L-Gate | 1人1台端末環境に対応|内田洋行 |
クラウドID | Microsoft 365 / Google | – |
アプリ(デジタル教科書) | EduMall | EduMall |
統合型校務支援システムを起点に名簿連携した場合
児童生徒の名簿の管理を統合型校務支援システムで行います。
統合型校務支援システムをご利用の場合、年度当初には必ず年次更新が行われ、各学校で名簿の状態を最新化されます。
L-Gateは統合型校務支援システムから出力される名簿を取り込むことが可能です。
これにより、新入生や転入生を新規ユーザーとして取り込んだり、年次更新された児童生徒の情報をL-Gateに反映したりできます。
既にL-Gateをご導入頂いている場合では、L-Gate内に既に名簿情報が存在していますので、統合型校務支援システムと、L-Gateに登録されたユーザーの紐付けや名寄せの処理を行います。
L-Gateに取り込まれた名簿を利用して、名簿連携に対応したアプリにも情報を反映することが可能です。
統合型校務支援システムと名簿連携しなかった場合
基本的には、名簿のメンテナンスを各アプリで行う必要があります。
OneRosterに対応していないアプリケーションの場合、それぞれの名簿フォーマットを作成し、登録作業が必要です。
使用するアプリが増加するればするほど、名簿のメンテナンスにかかる負担が増大する可能性があります。
軽減可能な作業の例
統合型校務支援システムとの名簿連携により、例えば下記の作業負担を低減できます。
特に年次更新においては、校務システムの名簿をメンテナンスしておけば、L-GateやEduMallなどのメンテナンスが不要となるため、作業負担の大幅な低減が期待できます。
作業項目 | 名簿連携「なし」の場合 | 名簿連携「あり」の場合 |
---|---|---|
ユーザーの新規作成 | 必要 | 不要 (自動連携) |
クラスの作成 | 必要 | 不要 (自動連携) |
市内転入出における所属学校の変更 | 必要 | 不要 (自動連携) |
クラスの所属変更 | 必要 | 不要 (自動連携) |
既に名簿連携を実施している団体では、従来の年次更新と比較して、大きな時間削減に繋がったと好評頂いております。
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※ 記事中段に記載があります。
統合型校務支援システムの運用や導入状況によっては連携可否が異なる場合があります。詳しくは連携時にお問い合わせください。
L-Gateならではのポイント!
L-GateにはMicrosoft 365やGoogleのアカウント(クラウドID)を専用サーバーを設置すること無く、直接メンテナンスする連携機能があります。
また、アカウントのメンテナンスと同時に、TeamsやGoogle Classroomといった教育用グループウェアのチームテンプレートおよびクラスの自動作成を行う機能も標準で備えています。
アカウントのメンテナンス機能、グループウェアとの連携機能は「サーバー同期」機能としてご提供しており、無償でお使いいただけます。
既にクラウドIDやグループウェアを別途管理している場合は、自動作成機能はOFFにするといった柔軟な対応ができ、団体の運用に合わせてご利用いただけます。
L-Gateなら、統合型校務支援システムを起点に、各アプリやクラウドIDの名簿のメンテナンス作業が一貫して実施できるというわけです。
コラム1:国際技術標準を採用した連携
コラム2:L-Gateの国際技術の採用状況について
名簿連携の重要性とデータ活用 ~今後の教育データの利活用を見据えて~
名簿を一貫して保持・メンテナンスしておくことは、今後の教育データ活用において重要な要素の一つです。
これまでのアプリケーション利用においては、各システムで異なるアカウントを使用したり、一つのIDで複数ユーザーが使用するケースが多く、
データがあっても突合が困難だったり、誰のデータなのか分からないといったケースが多々ありました。
上記の背景から「データはあるものの、児童生徒の支援に結びつけることが難しい」と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
名簿連携を行うことで、統合型校務支援システムや学習eポータルを起点にした名簿メンテナンスが可能となります。
どのアプリにおいても、児童生徒一人ひとりのデータが蓄積され、教育データの分析がしやすい環境を整えることがで期待できます。
例えば、「毎日の記録」(※3)で記録された学習記録と、MEXCBT、ドリル教材の成績を組み合わせて、苦手やつまずきのフォローを行えるかもしれません。
教育データの利活用においては、各学校設置者の判断のもと、必要に応じて本人や保護者に承諾を得るなど適切な取り扱いが必要です。
おわりに
本記事では、名簿連携の全体像や教育データの利活用の概要について、具体例を交えながらご説明しました。今後の学習環境の充実や、その検討に向けて是非お役立てください。
他社学習eポータルが名簿連携のコンセプトやロードマップを相次いで表明される中、L-Gateは先駆けて実装を進めています。今後とも是非ご期待ください。
名簿連携に興味をお持ちの方は、当社の営業または下記問合せ窓口までご相談ください。
また、L-Gateの新規ご採用、他社からのお乗り換えや併用に興味がありましたら、下記フォームよりお問い合わせください。
L-Gateは様々なサービスと連携を強化することで、1人1台・1アカウントを使った日々の学びと運用・管理をご支援してまいります。
(※1) OneRoster | 一般社団法人 日本IMS協会 (imsjapan.org)
(※2) LTI | 一般社団法人 日本IMS協会 (imsjapan.org)
(※3) 参考記事: 新機能「毎日の記録」はデータに基づく児童生徒の成長の見守りや予兆のみとりに最適です | L-Gate